【調査】厳しい環境でも前向きに。仕事を楽しむコツ
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こんにちは。人と組織の研究機関POTInstitute(以下、POT)研究所長の平尾譲二です。私は常日頃、変革人材の発掘や育成に闘志を燃やしています。日々の研究の中でわかったこと、感じたことなどをコラム形式でつづる連載を…
- 調査レポート
こんにちは。人と組織の研究機関POT Institute(以下、POT)研究所長の平尾譲二です。私は常日頃、変革人材の発掘や育成に闘志を燃やしています。日々の研究の中でわかったこと、感じたことなどをコラム形式でつづる連載をはじめます。
POTは人の可能性を可視化し、多くの人に活躍の場が増えることを願って日々活動しています。第1回のコラムでは、「仕事が楽しい」と感じることができるのはどんな人なのか、調査の結果見えてきたことをお伝えしようと思います。
プロフィール
平尾 譲二(AlphaDriveグループ執行役員・POT Institute研究所長)
東京工業大学工学部建築学科卒業。株式会社リクルート(現リクルートホールディングス)に入社後、インターネットマーケティング局においてSEO・SEMの全社エバンジェリストを務めたのち、じゃらんnetの集客戦略全般を担当して全社イノベーション賞を受賞。2011年に社内新規事業制度「NewRING(現Ring)」でグランプリを受賞後、一貫して新規事業開発に携わる。新規事業開発プログラム「Recruit Ventures」を立ち上げ、事務局長兼インキュベーションマネジャーとして風土醸成・案件募集から事業育成・人材育成までを統括。約2000のエントリープロジェクト、約60チームの事業検証に携わり、事業開発と事業開発人材としてのスキルアップの両面を支援。一貫して新しい価値の創造、特に再現性の高い仕組みづくりに取り組んだ経験をベースとして、2018年8月、株式会社アルファドライブ取締役に就任。2019年11月、保有全株式を譲渡してユーザベースグループ入りし、NewsPicks for Businessの事業開発を兼任。2023年1月より、AlphaDrive/NewsPicks 専門役員 POT Institute 研究所長に就任。
仕事が楽しい人とはどんな人なのか
日々、働く人の可能性に向き合う中で、私はある疑問を抱きました。それは、人が仕事をする上で、「理想的な状態」とは何を指すのか、というものです。
例えば、こんな状態を想像してみます。
①その人の持つ資質や特性、強みが発揮できている
②仕事面の結果につながっていて自信を感じている
③周りの人から信頼され、仕事を任されている
④周りの人と会社を、信頼できている
これらが全て揃えば、自己信頼、他者信頼を伴った、理想的な状態と言えるのではないでしょうか。私は、この状態に近い時こそ、「仕事が楽しい」と思えるのではないかと考えています。
仕事が楽しいと思う人はどんな行動をとっているのか、POTが実施した2022年の意識調査から探ってみたいと思います。(仕事の楽しさと相関のある企業文化などについては、意識調査のレポートを出しています。ぜひ読んでみてくださいね)。

仕事が楽しい人は、学び、挑戦している
私たちが実施した調査には、「私は今年、昨年まではやっていなかった新たな学習を始めた」「私は今年、昨年まではやっていなかった仕事における新しい挑戦をした」という設問がありました。どんな回答が得られたのか、「仕事が楽しい」に肯定的な回答をした1,225名と、否定的な回答をした1,197名に分けて見てみます。
結果は、「仕事が楽しい」に肯定的な回答をした人のうち、46.3%が新しい学習に取り組んだという結果となりました。これは「仕事が楽しい」に否定的な回答をした母集団の結果(15.4%)と比べると大きな差があります。

また、「仕事が楽しい」に肯定的な回答をした人のうち46.9%が新しい挑戦を始めたと回答していて、こちらも「仕事が楽しい」に否定的な母集団の結果(14.0%)と差が開いています。
仕事が楽しいと思える状況にいるから、新しい学びや挑戦に取り組む時間的・精神的な余裕があるということなのかもしれません。はたまた、新しい学びや挑戦によって、仕事が楽しいと思えるようになるのかもしれません。これらは、どちらか一方だけが正しいということではなく、それぞれが相互に作用し合っているように感じます。
2023年、目標に向けたスキルアップに意欲
次に、2023年の展望を見てみましょう。「あなたが2023年に、学んでみたいな、興味があるな、身につけてみようかな、と思っているテーマを次の中からお選びください」という設問です。
その結果は、「仕事が楽しい」に肯定的な回答をした人の70.2%が何かしら学びたいと意欲を示しました。こちらも否定的だった母集団と比較してみると、大きな差があるようです。
具体的にどんなテーマが選ばれているのか、見てみましょう。

1位は資格取得(28.1%)でした。資格取得を学びたいと考えている人は昇進や起業などを希望していて、自身の目標に向けてスキルアップしたい、という思いが見てとれます。
「えっ? 意外」と一瞬思いましたが、そういえば私もすでに今年取得した資格があり、まだいくつか勉強中の資格もあるので、身近に感じました。
厳しい環境でも前向きに進み続ける
ここで、「仕事が楽しい」に肯定的な回答をした人の自由回答欄を見てみましょう。すると「キャリアアップ」「スキルアップ」などの回答が多く見られます。具体的な資格名を挙げて、取得を目指している人もいます。いくつか気になったコメントをピックアップしてみますね。
・インボイス(制度)が開始されると色々と混乱が起こると思うが、的確に対処できるようスキルアップに励みたい。
・2023年は働き方改革が実施されるにあたり、仕事の優劣をつけることを心がける。しかも、結果は今まで通り出さないといけないのでその方法を考えて実施する。
2023年に起きる決して小さくない変化に対して、後ろ向きにならず、前向きに捉えて自分ごと化しているのが印象的です。
・経費節減が問われているので、仕事の仕方(を工夫し)活躍したい。
・今年は会社の幹部たちの理不尽さに苦しめられた。自身の考え方を変えるしか手はない。そういう理不尽さにも対応できる精神力、人間力を学び、身に付けたい。
状況が決して良くない中でも、自分のできることは何かを考えなおして自身の目標にしています。こちらも、背筋の伸びる思いがしました。
・今までしたことのない分野に挑戦してみたい。仕事とは関係ないことも学んでいきたい。
・今まで学んだことを部下に引き継ぎ、新しい事を学ぶ。
未知のことにも手を出していきたい、という好奇心や意欲のようなものを感じます。仕事とは一見関係ないことを学んでいても、近いうちに様々なきっかけで繋がってくるのではないかと思います。
・定年まで残り1年ちょっとなので、2023年も健康に気を付けて今の仕事をやり遂げたいです。
・定年後の起業の準備をする。
定年が近い方のコメントですが、非常に前向きで勇気づけられます。1つの会社で定年を迎えても、その先の人生でどうありたいか考えて、行動してきた人なのだろうと想像します。

勤続年数で大きく異なる関心領域
定年間近の人のコメントを見ているうちに、年齢や勤続年数によって見える景色が異なるのかもしれない、と思い始めました。
最後に、勤続年数で区切って調査結果を見てみましょう。「2023年に、学んでみたいな、興味があるな、身につけてみようかな、と思っているテーマに関するキーワード」という設問の回答です。
勤続20年以上、3年以下の人に共通してトップ10に入っていたキーワードは、「資産運用」「英語学習」「AI」「メタバース」「営業戦略」でした。一般的に関心の高そうなビッグワードが並んでいますね。


一方で、「プレゼンテーション」「コーチング」「人的資本経営」「組織風土改革」「1on1ミーティング」は勤続年数20年以上の人だけが選んだキーワードです。人と人との関わりにまつわるキーワードが並んでいます。私はこちらの属性に近いので、とても共感できる結果でした。

また、勤続年数3年以下の人だけがランクインしたキーワードは、「デザイン思考」「YouTubeビジネス」「心理的安全性」「SNSマーケティング」「編集力」でした。なるほど、これは世代の色が強く出ているのかもしれませんね。「編集力」も広い意味がありますが、動画編集スキル、とも捉えることができ、一貫性を感じます。

「心理的安全性」については、こちらも人と人との関わりに関するキーワードですが、勤続3年以下の人は心理的に安全な場であるかどうかに敏感だ、ということが如実に表れた結果だと感じました。
今回はPOTの意識調査から、仕事が楽しい人とはどんな人なのかを探ってみました。どうやらどのような状況に置かれても前向きに捉えて、自らを次のステージに持っていこうとする人なのだろう、という傾向が垣間見えました。とはいえ、流石にアンケート調査だけでは本質に迫れないように感じたので、今後、該当する人にインタビューをして、本音を探ってみたいと思います。
